体のさびを防ぐビタミンE

水を入れた小皿に玄米を入れておくと発芽しますが、コメの生命そのものといえる部分は胚芽です。種子からイネへと成長するために必要なビタミンやミネラルなどの微量栄養素が豊富に含まれています。

そのなかの一つ、ビタミンEは脂溶性ビタミンで、抗酸化作用にすぐれています。体内に必要以上に活性酸素が増えると、たんぱく質や脂質の酸化、酵素の変化などが起こり、体の細胞がダメージを受けます。細胞膜が傷ついて細胞が破壊されたり、たんぱく質の異常などが生じ、その結果、動脈硬化や老化のスピードが速まるといわれています。こうした酸化によるさまざまな害を防ぐのがビタミンEなのです。

白米にはほとんど含まれていないので、健康のためには主食を玄米にするとよいでしょう。

・スーパービタミンE、トコトリエノール

ビタミンEは四種の「トコトリエノール」と四種の「トコフェロール」の合計八種類の総称です。一般にビタミンEというとトコフェロールを指すのですが、トコフェロールよりも強力な抗酸化作用を持っているのがトコトリエノールです。白米では除去されている「ぬか層」に含まれ、スーパービタミンEとして注目されています。

活性酸素は、体内の細胞やコレステロールを酸化させ、ガンや動脈硬化をはじめ、あらゆる生活習慣病を引き起こす原因の一つといわれていますが、トコトリエノールは、悪玉コレステロールの増加を抑えるほか、活性酸素を除去する抗酸化作用にすぐれています。体のさびを抑え、老化防止に不可欠な成分です。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『喰い改めよ! あなたはあなたが食べたものでできている』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。