神仮説に基づき、穿った見方をすれば、神は「人間の自然状態と科学の発達とのセット」という障害物を設えて、人類がこの試練を乗り越えて自らの絶滅を回避し、平和と理想郷と幸福を手にすることができるかを試されておられるのやもしれません。そうであれば、我々は神にも負けてはなりません。

人間は、闘争と博愛という対立する遺伝子を持っているようですが、「人間界至高の理念」の実現を目指すのであれば、理性の働きにより、争い殺すことよりも許し助け合う遺伝子の方を発動するよう心掛けねばなりません。闘争の遺伝子は、対人間に向けて発動するのではなく、この世に理想郷を築くためにいかなる難関をも克服するという難関突破のために発動されるべきということになります。

人間界から争いが消え平和でありさえすれば、人類は思いのままに幸福になることができます。争いのために費やされていた計り知れない物心両面のエネルギーの全てはこの地上、宇宙船地球号の中、にこの世における理想郷を築くために充当することができます。理想郷の二つの条件である自然環境と人為環境を我々の望むように磨き上げて行くことが可能になり容易になるということです。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『神からの自立』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。