我々人間界には絶えることのない争いが存在しています。争いが生じる主な根源には、1.人種・民族の差別、2.宗教の存在、そして3.主権国家の存在、の三大根源があります。これらがなぜ争いを創造するのか、そしてどうすれば人間界から争いを追放することができるのかについて思いをめぐらします。

人種・民族の差別

人間界における争いの消滅

トマス・ホッブズ(17世紀のイギリスの哲学者)は「人間の自然状態は、万人が富や権力を求めて戦う戦争状態である」という見方をしていますが、仮にこの見方が正鵠を得ているとしても、人類を絶滅する兵器を製造できる科学の発達という条件が登場した今、我々はホッブズの言う人間の自然状態のままでいることはできません。戦えば人類は絶滅するからです。

我々が「平和と幸福に包まれて末永く存続することを希望する生命体である」ということであるならば、我々は賢きに就き知恵により、ホッブズの言う「自然状態」から脱却しなければなりません。争わないために我々に課せられる必要最低限の要求は、争いの三大根源を断つこと、すなわち、争いを創造する人種・民族の差別と宗教という妄想を去ることに加え、敵対国家の存在しない世界国家を目指すことにあります。