1980年代、世界の大都市にも同様な現象が発生しましたが、ヨーロッパでは公害対策と言わずエコロジーとして対応していました。排出源対策(パイプエンド)だけでない、良好な環境を創造する活動です。

これが、国際的にエコマークなどに進化し日本もこうした方向性に同意したことにより、公害等調整委員会はエコロジーに切り替わりました。公害対策と言うと3K(危険、汚い、きつい)のようなイメージですが、今日のエコ活動はファッション性もあり、スマートなスタイルとなりました。

さらに、ニュースやインターネットでの情報などにより、社会全体に環境意識が浸透してきました。幼児から高齢者まで、環境に良いこと、環境に良い社会が見分けられるようになってきたのでしょう。

エコマインドを持って商品や社会について語れるようになった今、私自身、環境問題についての講演で「現在の潮流はどうなっているでしょうか?」というフレーズを皮切りにして話をはじめると、10年、20年前とは随分異なり、真剣に話を聞いていただける時代になりました。

人類のパラダイムは真の成熟社会になるでしょう。今世紀中期には先進国も新興国も途上国もない一体の都市となることを目標として、エネルギー、資源、科学を基盤として自然、生物が共存できる人類哲学が確立されると信じています。

環境負荷の現実は今や人類的課題として認知され、2009年のCOP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議:Conference of the Parties:正式にはCOP - FCCC)においては世界約190カ国が集結し、議論されたことは、遅ればせながらも環境への関心が世界に広まってきた証でしょう。

しかしながら、結果は将来が安心できるものではなく、グローバル化が進んだ社会になったとはいえ、文化や、習慣、発展度合いの違う国々が同意するのは本当に難しいということが顕在化しました。

過去、日本において行われたCOP3で採決された京都議定書は、このCOPの歴史でも素晴らしい進展になったと言えます。今後、この会議において、効果的な温暖化防止策が採択されることが期待されます。一方、世界各国により何兆円とも言われる予算が温暖化防止のために使われます。環境市場が開始されるなか、人類が欲望のために壊した自然をこれ以上破壊しないように早期に正しい同意が求められます。

2012年、環境省では、「第四次環境基本計画」において、低炭素・循環・自然共生の各分野の統合的な達成を目指し、次の9項目を挙げています。

① 経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進

② 国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進

③ 持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進

④ 地球温暖化に関する取組

⑤ 生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組

⑥ 物質循環の確保と循環型社会の構築

⑦ 水環境保全に関する取組

⑧ 大気環境保全に関する取組

⑨ 包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組

環境省は、これらを重点分野とし、優先的に取り組み、持続可能な社会を実現するとしています。筆者は2010年の書で、2050年の社会のネガティブな答えのなかの、「化石燃料の多消費や乱開発」のリスクについて指摘しましたが、環境省でもやはり、温暖化と環境汚染に影響が大きい「低炭素」について懸念を示していることがわかります。

自然環境が豊富な日本では当たり前のようにして暮らしていますが、地球環境問題においては、自然災害や自然変動などにより、環境が一変する可能性があるとも言えます。日々、エコマインドとともに、自然環境の持続のための協力は必要不可欠とも言えるのです。

本書では、地球の歴史、人類の歴史、文化・文明の変遷、資源の活用、企業のあり方など、さまざまな要因を通して地球が正常に機能し、人類と生物、そして地球との共生に向けて、地球環境を中心とした第四次産業革命が実践され、人類文化が第四期文明に入ることを提言します。

① 世界経済から見る環境問題(エコ&エコノミーの文明)

2008年、アメリカのサブプライムローン問題にはじまり、リーマンブラザーズの倒産、そして大手企業が相次いで経営破綻し、世界同時不況となりました。100年に一度とも言われる金融恐慌でしたが、2009年のドバイ破綻はさらに大きな強震を世界に与えました。

日本では一時1ドルが84円と円高になり、世界の景気はさらに崩れ落ちることになりました。その後も巨額の財政赤字を抱えるギリシャに端を発した金融危機は世界中に波及し、次なるスペイン、ポルトガルの財政も不安要因になっており、こうしたことは積極的な温暖化政策に同調しているEU各国にブレーキがかかりかねません。

2008年のリーマン・ショックで、2009年に世界経済はマイナス成長率の世界経済となりましたが、2010年には新興国経済の回復が早く、世界経済の成長率は5.0%となり、回復基調の道を歩みはじめました。

その後、経済悪化を促す要因もなく、2014年には4.5%を維持し、2017年と2018年では、それぞれ3.5%、3.6%と予測
されています。この世界経済の成長率は、先進国では1〜3%の成長率ですが、インド、中国などの新興国が約6%以上の成長率を持って世界経済を牽引しているという面もあります。

日本では、2009年にマイナス6.3%の成長率になってしまいましたが、その後、世界経済の動向に伴い2.6〜3.0%で推移しています。

2012年、政権を取り戻した自民党の安倍政権は、経済政策として「アベノミクス」を推進し、日本経済は安定するようになったと言えます。株価の上昇が続き、2017年には、日経平均2万台に突入し、雇用環境も好転して、業種によっては深刻な人手不足をきたすほどになっています。

しかし、現在においてもデフレ脱却が課題となっているようです。

※本記事は、2018年6月刊行の書籍『EARTH 2050』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。