「公立は『オワコン』だ」なんて言わせない! 教育現場にはびこる不信、あきらめ、無関心。そして現場を無視した制度改革――。 社会が目指すべき学校教育とは? 現役教師が解説していきます。

実際の教育活動の中で輝く「教育哲学」

日本人の特徴として、人間関係の「和」を大切にしようとします。それがよい面でもありますが、争い事を回避しようとするあまり、よくないことをうやむやにしてしまうこともあると思います。

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しかし教師にとって、子どもの中にある「悪」と戦う勇気は必要です。「悪」を取り除かずに「まぁまぁまぁ……」とうやむやにしてしまうことや、子どもの顔色をうかがってご機嫌をとることは「本当の意味での優しさ」ではないからです。

日本人はこの点、弱いと思います。教師は、子どもを叱った後も、想いがうまく伝わったのか、前を向いてまた歩き出してくれるか、ずっとその子のことを考えています。

心配しています。期待しています。決して憎くて言っているのではありません(私などは「あれでよかったのか……」と何日も悩み、考えてしまうタイプです)。