-------塩とスイカ-------

家に帰ると、三緒がわかりやすく不機嫌だった。ブゥゥ…と効果音つけたいくらい、膨れっ面。くっくっ、と笑うと、

「なに! うるさい!」
「何も言ってねーだろ(笑)」
「顔がうるさいってば!」

ひでぇな、頭をポンポン撫でると、ぶわっっと音の出そうな勢いで、涙が滲んできた。

「なに、何かあった?」

…ちゃんが、…

「聞こえねーよ」
「りっちゃんが、ヤなこと言う…」
「なんて?」
「バカじゃないのって」

聞けば、休み時間に、いつも鎖から放たれた犬のごとく校庭に駆けていくコイツが、ちょっと出るタイミングが遅れた時に、前を歩く友人に教室に閉じこめられたらしい。コイツは小さいときから俺と戦いごっこをしてきた猛者だから、なんなくクソ力でこじあけて、その勢いで意地悪で閉めてたヤツがふっ飛んだと。やるじゃん(笑)。

でも、ふっ飛んだヤツから逆に、「そんなに勢いよく開けて、危ないよ? バッカじゃないの?」とディスられたらしい。「バカはお前じゃ~!」と思ったけど言えなくて校庭へ走ったと。その悔しさを抱えたまんま、帰ってきたんだな。