肩を落とす禅に、剛史が吸っていたマリファナを渡した。禅はそれを受け取ると吸い込んだ。

「どうだ? 落ち着いたか?」
「ええ」
「お前にいい話があるんだ」
「いい話ですか?」
「そうだ、前にデカイ事をやるって言っただろ? これは、ビジネスチャンスだぞ!」
「ビジネスチャンス?」

禅は剛史の話では……?と思った。

「お前が、復活するチャンスだ」
「何をやるんですか?」
「今は言えないが悪いようにはしない……どうだ?」

禅は考えていた。

“何の話か分からないのに、どうだと言われても……?”

そう考え、黙っていると剛史が言った。

「大丈夫だ、何度も言うが、お前が復活するチャンスだぞ!」

“話だけは聞いてみるか?”

禅はそう思いうなずいた。

「分かりました」
「よし、じゃあ俺が段取りするから」
「宜しくお願いします」

二人は乾杯すると、ショットグラスに注がれた、テキーラを一気に飲み干した。そして、そのまま朝まで飲み明かした。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『アリになれないキリギリス』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。