「心を古き泉の底にしずめて
 よろこびの日にこそ おのが額にイラクサを捲け!
 冷淡な者らの間では心の高揚を、怒れる者らの間では
 やさしさを知れ!
 すべての人々が打つ者を君は打たず
 そうして君の両手は 未来の仕事のためにあけておけ。
 そして埃まみれの道ばたの石に 刻まれている文字を
 君が見つけるが 無数の人々がその上を踏んでゆきながら
 それが聖なるルーネ文字であることが もうだれにも
 わからない—(生まれてくる子に)」

「しかしだれに、これをだれに、ぼくは話しているのか?
 君がほんとに
 この世の存在になると この現世のパンを食べるようになると
 だれがぼくらに保証してくれるのだ? ああ、ぼくらのこの星は
 危険にみちている。けれどもぼくらは知っている、
 ぼくらの存在と ぼくらの非在をつらぬいて
 認識しあえないあるものがへめぐっていることを。
 ぼくらはそれを愛と呼ぶ。ぼくらは君のために愛を祈る(生まれてくる子に)」


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※本記事は、2020年11月刊行の書籍『pop lock』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。