ショーは自らブランコを動かすことをしない。止まってしまうとまた私のところにやってきて手を引いていく。ずっとこんなことを繰り返す。もう、陽も高くなってきて、ブランコを覆うように繁っている木々の間から木漏れ日も射し込み、何だか別の世界に迷い込んだような感じがする。そろそろ腹が減ってきた。

もうここにきて二時間以上は経っている。

「ショーそろそろ帰るよ」と言って、ショーの手を引いて入り口付近に止まっている自転車に近づくと、ショーは何かを察したらしく私の手を振りほどいてブランコまで一目散に駆け出していく。あー最初からまたやり直しだ。仕方なく私はまたブランコを揺らし始める。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『ショー失踪す!』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。