注射でもするのか、血液検査か、血圧測定、はたまたドクターと話をするだけか? 質問したい事はたくさんあったが、その前にアッキーママのことが知りたいアッキーとひまりだった。『面会謝絶』と言われたばかりである。

ベットに寝たきり状態なのだろうか? 話も出来ないのだろうか? 食事はどうしてるのだろう。アッキーとひまりの気持ちを察すると、田畑さんはあっさりと、「アッキーママは今は個室にいるんだ。きっともうすぐ出てくるよ~」

アッキーとひまりは『個室』と聞くと同時に田畑さんを見上げた。田畑さんは逆に驚いてしまった。精神科の入院の病棟では個室は珍しくない。ただ、鍵をかけられることが多いだけだと、田畑さんは付け加えた。

「アッキーママは個室と大部屋を行ったり来たりしてるよ」

なんで?と、アッキーとひまりは田畑さんの次の言葉を待っていた。それなのに田畑さんはひまりの顔をちょくちょく見て、バーコードの頭を触っている。アッキーの顔は見ようともしない。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『ずずず』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。