山にこもって十一日目。その日も晴れだった。

僕は何が正しいのかわからなくなった。悩めば悩むほど考え方が変わって、何が真実なのかたどり着けない。もし人の本性は善ならば、最初からその考え方だったのだから、悩む必要はないのではないか。

僕は一日中そのことについて、考えた結果、ついに答えがわかった。正反対の二つの思想を深読みしていくと、これでは永久に真実にたどり着けないのではないかと思うかもしれない。

しかし最善はそのどちらでもない。その中間なのだ。深読みしていくと、どちらの言い分も知るようになって二つの思想の中間に近づいていくのだ。なぜそれが良いのかというと、正反対の二つの考えはどちらも正しいので、どちらも傷つけてはいけないからである。ただし中間にたどり着くことはない。

永遠に深読みして中間に近づいていくのだ。ちなみに、この正反対の二つの考えはどちらも正しいというのは、どんなことにも当てはまることである。例外はない。例えば「戦争は間違っている」という言葉があって、その逆の、「戦争はしても良い」という言葉があったら、その考え方の人がいなかったとしてもその思想は正しいのである。