違ってきた未来

それから、三時間ほど過ぎた。禅の連れは先に帰り、剛史の連れて来たガキは、トイレに入ったまま出てこなかった。

「剛史くん、連れは大丈夫ですか?」

「あ?いつもの事だ」

禅は分かり切った事を、あえて聞いた。「まだ、子供ですよね」

「中坊だからな」

「中学生!?」剛史は、そう驚く禅を見て言った。

「何を驚いているんだよ、お前だって中坊の時から酒くらい飲んでいただろ?」

「え? 自分は飲んでないですよ、酒は大学に入ってからですよ」

「そうか? お前は真面目なんだな……俺なんか小学生の時から親父の酒を盗み飲みしていたぜ」剛史は、そう言って笑った。