「そういえば、ばあさんはシマオのために、いろんな箱を座敷に置いとったな。シマオも、しょっちゅう出たり入ったりして遊んどった」

おじいさんは、それから大小さまざまな段ボールを座敷に置きはじめた。ミミのお気に入りは、体にキチキチのサイズだ。おじいさんもその時は、子供のころの気持ちに返るんじゃ。

ミミと同じように四つんばいになって段ボールのところまで近づいて、「ミミっ、ミミっ」と何度も呼よぶ。ミミはわざとのように、スッと別の箱に移るんじゃ。それがおもしろうての。

どっちがからかっているのか、わからんくらいじゃった。そして、つかれると、おじいさんはミミをしっかり抱きかかえたそうな。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『愛ラブ猫 I Love Neko』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。