田んぼの手伝い

田んぼの手伝いをしていた時だ
「だらだらやるな やりたくないならするな
仕事はいやいやしたら ろくなことにならない
もうしなくていい」

持っていた稲の束をひったくり取られた
少しの間突っ立っていた私は
後ろを振り返り振り返り
ふてって家の方に小走りに帰った

九十八歳まで頑張って生き続け
子供たちにいろんな道しるべを残してくれたかあさん
こわいかあさんだと思っていたけど
今 今 かあさんの子供で本当によかった

かあさんのつくってくれた道を 少しずつ歩いていくよ

写真を拡大 「風紋」
※本記事は、2020年11月刊行の書籍『もう一度かあさんの聲が聴きたい』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。