春の出会い

邪気:90 代謝:80 正気:80

京史大学農学部に合格した私は、入学式当日を重たい気分で迎えていた。

合格発表から一カ月半。しばらく会えなくなる友達と、思い出作りと称してあちこちに出かけたり、内容すら覚えていない話を夜遅くまでしたりと、もともと体力がないところに無理がたたって疲れてしまったというのがまず一つ。

そしてもう一つの大問題が化粧だ。

高校時代は化粧禁止の校則もあり、真面目にすっぴんで登校していた。それが大学生になった途端母が、せめて化粧くらいすれば、と言いだしたのだ。母が行きつけの化粧品屋さんで、店の人にメイクしてもらったときには何とも思わなかった。けれども、家に帰って自分で使ってみた第一印象が、とにかく面倒くさい。

それもあって、まともに化粧して人前に出るのは今日が初めてだった。さらにこんなことのために少し早起きしなければならないが、私の寝起きは殊の外悪い。