自分の人生が無為に終わることを悟ることこそ、永遠の刑罰である。愛の喪失や死の恐怖はいわば外からの暴力であって、強い信念が内にあれば、人間はそれを克服することができる。だが、この退屈というものは内側からじりじりと人間を焼き滅ぼしていく。それに耐えることは人間にはできない。そんなものをイメージ化したかったのだと風間は言ったのだという。

「ますます分からないなあ、まさか風間さんと茜っていつもそんな会話をしてるわけ?」美咲が言うと、茜は頬を膨らませた。

「まさかあ、でもね、風間さんと付き合うのって難しいよ、結構お坊ちゃんで自己チューだから」

「その自己チューによりにもよって茜が惹かれるんだから分からないね」と美咲は舌を出した。

「あの合コンに賭けてたのは、実は早苗なの。早苗って振られたてだったからさ。でも、合コンが終わってから電話があったんだけど、あれはダメよ、っていってた。茜と同じこと言うのよ。あれは自己チューの集まりだったって」

「恋って難しいよね」と茜は言った。「実はさ、風間さんが好きなのはわたしじゃないのよ」

少しの間三人は黙った。