タクシーで難波に向かうことにした。どこも満室の気がする。やはり、予感は的中、ホテルに空きがない。個室というと、カラオケか、漫画喫茶になる。確か、道頓堀に漫画喫茶やパセラがあった。パセラは、カラオケルームがあった。あの大きなトーストが印象的で、覚えている。ステージ前で踊ろうとしている様な、踊ろうとしていない様な持て余したその子の手を連れて、どっか行こって言った。

その日も、Kiss me シールにキスをしまくった。ギャルみたいな子、きみみたいな子、それから、メイドさんのコスプレの子、それから。1時になる頃に、ひとりその子に決めたのは、来てくれると思えたから。部屋に入る時に、その子はお手洗いに行った。ドリンクを取りに行く。Hot Coffee を注ぐ。部屋に、その子が戻って来た。

椅子に座って、こちらを振り向かないまま、キスから始めてしまった。会話を一言もしなかったのは、のちのち自省に至る。1時間後、また、タクシーで梅田のClubに戻った。会場内で、その子に、連絡先を聞いたけれど、教えてくれなかった。

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『pop lock』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。