松の木の梢を見れば中空に 若きサシバの一つが舞へり

 

押し寄する 津波の上げし巨岩(おほいは)は 還るすべなく草原に臥す

*帯岩(おびいわ)。一七七一(明和八)年、推定マグニチュード七・四~八・○の
八重山地震にともなう津波が押し寄せ、海底の巨岩を陸地に押し上げた。
御神体として祀(まつ)られている。

 

スズメダイむれてこよなき棲み処(か)なり 珊瑚の森のまはり離れず

*川平(かびら)湾にて。
**スズメダイ 青色の小魚

※本記事は、2014年2月刊行の書籍『歌集 忘らえなくに』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。