将校になるまでの経緯が異なる3つのグループ

第三グループは完全なエリートプロ軍人である。小学校を終わって幼年学校に入り、中学校四年生に該当する年齢で士官学校に入り、卒業すると士官候補生となり、各連隊に配属されて、この段階で少尉となる。

この後は年功序列で逐次進級していき、末は大佐、少将まで昇進する。また大尉になった時点で陸軍大学入試の資格が得られるが、これに合格して二年間の大学を修了すると、超エリートの道が保証され、参謀を歴任した後、参謀長、師団長、軍司令官と出世していき、将来は大将の椅子も夢ではなくなってくる。

この三種類のグループの人間は、将校になるまでの経緯が異なるだけに、それぞれ特性を持っている。

第一グループは昇進が遅い反面、兵としての経験が豊富であるため、実務には極めて精通している。しかし、年齢は高く、戦術、射撃技術など学術は概して未熟であり、覇気は乏しく、スケールも小さく、奔放さに欠けている。

第二グループは将校の中での圧倒的なパーセンテージを占めるが、タイプは大きく二つに分かれる。概ね半数の者は皆兵制のもとでやむなく入隊しているだけであって、本来自分の職業は他にあると考え、服務は適当にやっておけば良いと考えている。特に妻子ある者たちは望郷の念が強く、家庭のことを考えて常に帰還を願い、戦闘意欲は乏しい。

残りの半分は、軍に入ったからにはと真面目に軍務に服し、昇進の意欲もあり、現場での実務では中心的な役割を果たす。第三グループと比較すると、社会の経験が豊富であり、一般の兵の立場や気持ちも理解する。

ただ第三グループとは知性も能力も違うと割り切れる場合は良いが、その裏返しでコンプレックスを持ったり、不満を持ったりした場合は覇気を失っていく場合が多い。

※本記事は、2019年1月刊行の書籍『地平線に─日中戦争の現実─』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。