森林の保全は遅々として進まず。

さて、そのCOP24にしても、主として地球環境・生態系に悪影響を及ぼす要素のうちの一つである地球温暖化ガス排出に一応の目鼻を付けただけであって、もう一方の温暖化ガスの減少に寄与する森林の保全は遅々として進まず森林の減少は続いています。

森林が減りますと、緑が減り光合成が減りますから、主たる温暖化ガスである炭酸ガスの減少は減り、さらに酸素の大気中への供給も減少します。COP24の温暖化ガス排出規制が実施され成功したとしても、森林の減少が阻止され人の手で回復に向かわない限り、COP24の努力は無に帰することになりかねません。

このように、温暖化ガスの減少についてだけでもまだやり残していることがあります。さらに、生態系へ悪影響を及ぼすその他の要素についてはまだまだ積極的対応ができていません。

生態系は人類を含む生物の存続の基盤ですから、生態系への悪影響を及ぼす要素については最優先的かつ可及的速やかに対応して、先ず生態系の損壊を阻止し然る後に原状回復を図らなければならないことは明白です。

そのため、地球サミットのように国際協調路線は一応敷かれてはいます。しかしながら、その生態系損壊阻止への対処は遅々としてはかどらず、もどかしさを払拭することはできません。

この状態をもたらしている主たる原因は何かと言えば、それは世界に数多存在する主権国家にあります。

国は自国が当面直面している政治・経済・社会問題や自国の利害に関わる国際問題・紛争の解決が最優先事項であり、それに第1の物心両面のエネルギーを費やし、人類の生存基盤であるといえども、生態系の保全は副次的関心事にならざるを得ないというやむを得ないと言えばやむを得ない事情があるからです。

各国がそれぞれの思わくで行動すれば、生態系に対してなさねばならない対処にも世界の足並みが揃わず時間がかかるのも当然です。

さりながら、生態系の保全が守られなければならないことは生物存続の絶対条件ですから、数多の主権国家が存在する現実の中においても、生態系が壊滅することのないよう保全に努めることが最小限の要求となります。

この主権国家の存在下における生態系の保全という至難の問題をいかにして解決するかという点につきましては、今後「地上の理想郷」の中で触れています。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『神からの自立』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。