炭素排出量を把握するための「世界ルール」の必要性

COP24により、温室効果ガス排出量の削減や、緩和と適応のための措置を含め、各国がそれぞれの行動計画についての情報の提供、そして気候変動対策の技術の開発と移転の監視、報告などが定められています。

採択されたガイドラインについて、パトリシア・エスピノーサ国連事務局長は、「世界各国による責任分担をはっきりと反映するバランスの取れたものとなっています。ガイドラインは、各国の能力と国内の経済・社会情勢には違いがあるという事実を認めつつ、絶えず野心を高めてゆくための基盤を提供しています」と述べています。

さらに、エスピノーサ国連事務局長はアントニオ・グテーレス国連事務総長に代わり、「私の今後の5つの優先課題は5つの野心です。具体的には、緩和の野心、適応の野心、資金調達の野心、技術協力と能力構築の野心、そして技術革新の野心です」と述べています。 

ところで、COP24で各国が合意を見出せなかった唯一の重要事項として、いわゆる「市場メカニズム」の問題が残りました。市場メカニズムとは、例えば、「炭素市場」または「炭素取引」は、各国がそれぞれの炭素排出権を取引できるようにする仕組みです。

パリ協定はこの問題に関し、あらゆる国による取り組みの誠実性を守り、大気中の排出量を1トンでも漏れなく把握できるようにするため、世界ルールを定める必要性を認識しています。

この残された問題はチリで開催予定の次回の締約国会議で再び取り上げられる予定になっています。(国際連合広報センターHPから)