タンポポからわかること 平成二十年五月二十八日掲載

先日、「タンポポの戦い」という投稿を見ました。受粉せずして種を作ったりする外来種に、繁殖力では日本のタンポポは歯が立ちません。県内でも在来のカントウタンポポ・エゾタンポポ・シロバナタンポポ、外来種のセイヨウタンポポ・アカミタンポポの五種類は確認できますが、交雑による変種が多く名前の特定は難しくなりました。

タンポポの名前の由来には諸説ありますが、民俗学者の柳田国男さんはタンポポの古名の鼓草(ツヅミグサ)から来ていると著書の中で述べています。茎の両端を細く裂き水につけると、反り返って鼓の形になるので「タン・ポポン」と鼓の音を連想して付いた名だと言っています。

外国産のタンポポは、ガクのように見える総苞外片が下に反り返っていることで日本産と区別できます。更に褐色の種子ならセイヨウタンポポ、赤褐色ならアカミタンポポと区別できます。今では外国産のタンポポが、都市化のバロメーターになっています。以前ひろば欄で白いタンポポを見つけて、何か不吉なことが起こるのではと心配された投稿を見ました。九州ではかつてタンポポと言えば白花が主流でしたが、関東でもシロバナタンポポが増えつつあるという話を聞きました。

ここにも地球温暖化の影響が出ているような気がしてなりません。

クローバーの秘密 平成二十年七月七日掲載

幼い頃、広い野原で戯れる女の子達がクローバーの花で花かんむりや腕輪や首飾りを器用に編んでいたのを覚えています。最近全く見なくなった懐かしい光景です。

先日、二十一葉のクローバーを育てることに成功したという記事を見ました。一方、秋田のタクシー運転手が雨天以外の毎日、近所の野原などで「四つ葉」を探し、金品ではなく四つ葉のクローバーを乗客にプレゼントして七千本を突破したというニュースを見ました。

かつて、ベニバナという植物は黄色い花なのになぜ紅花というのか疑問でしたが、あるテレビ番組で受粉すると黄色から紅色に変化すると知りました。実はクローバーにも似たような秘密があります。それは花が下の方から順番に咲いて、受粉のすんだ順に下向きに垂れていくということです。

群落をよく見ると、小さな花が上向きや下向き様々であることに気づきます。ピョコンと真上に一つだけ残った花を見ると、受粉してない最後の生き残りかと感慨にふけります。また、茶色く下向きに枯れた花びらの中ではサヤエンドウのような果実が熟し、中に一ミリにも満たない種子が入っています。野に出て小さな小さなクローバーの種を見つけてみませんか。

チカラシバって知ってますか? 平成二十年十一月三日掲載

ヒガンバナと対照的な色合いで、ススキ色になったエノコログサを道端で見つけ、家に持ち帰りました。最近飼いだした猫に見せるやいなや、凄まじい勢いで突進してきました。

その勢いはペット屋で買った偽の鼠とは比べものにならないくらいの激しさでした。「猫じゃらし」とはよく付けたものだと感心しました。

猫のメタボ対策に、猫じゃらしで運動させるのが一番と思った矢先、猫じゃらしを巨大化したようなイネ科の草を見つけました。猫の喜ぶ顔が浮かんだので、早速引き抜いて持って帰ろうとしました。しかし、片手で引っ張るとびくともしません。仕方なく腰を入れて両手で思い切り引っ張ったらやっと抜けました。それは手のひらに跡が付くほど大変でした。

そのとき「あっ、そうだったのか」とその草の名前を思い出しました。地面にしっかりと根をはり、余程力を入れないと抜けないことから付けられたチカラシバ(力芝)でした。

貰った子猫のお陰で、チカラシバの語源を実感する体験ができました。猫が眼を輝かせて飛びつく姿を想像しながら家に帰ると、猫じゃらしのときのよう過激な反応はしませんでした。力芝を「大猫じゃらし」と言わない理由がここにあると勝手に思いました

※本記事は、2018年7月刊行の書籍『日本で一番ユーモラスな理科の先生』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。