帰りは高価で替えがない日本製の四駆はやめて、四駆ではないが車高の高い国産車のSUMO(日本の相撲に因んで、強いイメージとして、インドの自動車メーカーが名付けた)で同じ方角のスタッフも乗せて帰ることにした。途中で水の深い場所があり車内まで浸水。運転手に、低速で走り絶対に止まるなと指示して、足を上げたまま何とか帰宅した。

翌日、車内は清掃させたが、車内に入った汚水の匂いが1カ月近くも抜けなかった。市内のほとんどが床上もしくは床下浸水となり、市内北部では1週間以上も水が引かなかった。

水には下水が混じっているため赤痢その他の病気が発生する。インドらしいと言えるが、泳いできたコブラに噛まれて死ぬ事故まで発生した。

赴任前に洪水の話は聞いていたので、鮎釣りに使う防水オーバーパンツを持って行った。何度か使ったが、そのたびに周りのインド人から、どこで売っているのだと聞かれた。

インドでは、酷暑は覚悟の上だが、地域によっては洪水対策が不可欠。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『多様性に溢れる悠久の国 何でもありのインド』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。