勉強も同じです。自由自在に使いこなせるようになれば、こんなに楽しいものはないのです。子どもには、勉強ができるという「権利」を楽しみ切ってほしいです。「義務」としての勉強に追い詰められ、苦しめられているようでは、子どもが大きな損をしてしまいます。

話を戻します。テストが目標に向かって集中して勉強できるチャンスだとしたら、そこで大切になってくるのが目標設定です。中学校で行われるテストはだいたい100点満点ですが、私は全員が100点を目指す必要は全くないと思っています。

なぜなら、テストをはじめる前の学力のスタートラインはそれぞれ違うからです。普段、20点くらいしかとれない子が目標も立てず、なんとなく100点を目指せば、そのギャップから自信を失うに決まっています。

私は、テストを受ける前に「自分なりの目標点」を決めればよいと思います。例えば自分が設定した目標が50点だとします。そのテストで53点を取れたら、100点には届かなくとも、いくら周りから馬鹿にされようとも、胸を張って喜ぶべきだと伝えます。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『教師は学校をあきらめない! 子どもたちを幸せにする教育哲学』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。