生活の足がない…車を運転し続ける高齢者の悲痛

「交通の不便な過疎地域で独居高齢者の方の食の確保をどうするか」。

化石医師がずっと考えてきたことです。弁当の宅配、移動販売車など現在あちこちで展開されています。そうした中でお客の送迎を行う「お買い物バス」は移動販売車に比べ当然ながら品揃えも豊富で自分で選択ができます。

不自由を感じることなく買い物ができるのです。何よりも独居であり家に閉じこもりがちな高齢者の方が外出でき、色々な方と会話でき、社会に触れ合うことができます。

「楽しみです」と言われたMさんの言葉がそんな独居高齢者の方々の気持ちを示しています。

近年ご高齢の方の車の運転が問題になっています。実際に認知症のある方や難聴のある方、手足の運動障害がある方が運転されているケースも少なくありません。そのため免許更新手続きも厳しくなりました。

でも多くの高齢者の方々は「生活の足がないから」と運転を続けられているのです。核家族化の結果、高齢世帯、独居高齢者が増加しその多くは生活のための足を持ちません。

政府は「交通弱者のための公共交通機関の充実」を重要な政策の一つに挙げています。地域の自治体も地域巡回バスや通院バスの運行を行っています。そのような中でスーパーマーケットが自前のお買い物バスの運行を始めたことは注目に値します。

車社会の中で郊外に大型のショッピングセンターの設置が増えています。そのあおりで従来からの町の小規模小売店がつぎつぎに閉鎖し身近な場所での買い物は難しくなっています。このことも独居高齢者の生活継続を難しくする要因になっています。

でもこうしたショッピングセンターが今回のようにそれぞれ独自にお買い物バスの運行を始めたら、地域のご高齢の方々の生活はもっと豊かになり、もっと生活しやすくなるのではないかと思います。

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『新・健康夜咄』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。