リウマチは女性に多く、痛風は男性に多い

皆様のご想像通り、これらの男女差は性ホルモン、特に女性ホルモンが影響していると考えられています。

代表的な女性ホルモンであるエストロジェンは乳腺や女性器に作用するだけでなく、生命活動にとても重要な作用をしているホルモンです。

したがってエストロジェンは女性の体だけにあるのではなく、男性の体内にもたくさんあって様々な臓器で作用しています。ただし、女性のほうが女性器や乳腺がある分だけエストロジェンが多いのです。

たぶんエストロジェンが多いことが、リウマチ性疾患の男女差につながっているのだと考えられます。

痛風に関しては、エストロジェンが多いと、腎臓で尿酸の排泄にかかわるタンパク質が増えて尿酸の排泄が増える、したがって女性は体内に尿酸がたまりにくくて痛風になりにくいことが分かっています。

膠原病や関節リウマチでは、エストロジェンがこれらの病気と関連する遺伝子を活性化したり、免疫をつかさどる細胞の機能を制御したりするのだと思われます。ただし、これらは十分に研究が進んでいません。

人類としては同質でも、生物学的には異質な面を持つ男性と女性。病気の男女差を研究することから病気の治療につながる糸口が見えてくるように思いますので、私どもも切り口を考えて研究していきたいと考えています。

男女の違いを考えていたら、冒頭に述べた鮮烈なサツキと控えめなツツジ、どちらが男性的で、どちらが女性的なのかなあ、と思いましたが、これは結構デリケートな問題ですね。

これから梅雨の季節を迎えます。体調を崩しやすくなりますし、食中毒にも注意が必要な時期になります。くれぐれもご自愛をお願いいたします。

※本記事は、2019年1月刊行の書籍『リウマチ歳時記』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。