認知症と紛らわしい病気がある

認知症や認知症様症状を来す疾患は多く、その病態はきわめて多彩です。意識障害、せん妄、睡眠薬・抗不安薬などの薬剤、身体疾患、加齢性変化、廃用性変化などが挙げられます。

その中で、認知症と区別すべき病態のいくつかを次に挙げていきます。

◎うつ病性仮性認知症とは?

高齢者のうつ病(高齢者うつ)では、認知症のような症状がみられることがあり(うつ病性仮性認知症)、認知症との区別が必要です。

「うつ」は「心の風邪」と呼ばれるほど多い病気です。うつ病の程度は様々ですが、中には風邪のように、容易に治るものではないのもあり、患者さんを悩ませることがあります。

重症の場合、自分は価値のない人間、何もできないダメ人間、生きていても仕方ない人間としか見ることができなくなり、そんな状態が自殺につながります。

※本記事は、2018年5月刊行の書籍『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。