・疲れた肝臓をいたわるリジン

リジンは体内で合成できないので、食べ物から摂取する必要がある必須アミノ酸の一つ。脂肪燃焼に不可欠なカルニチンという物質の原料にもなります。

ブドウ糖の代謝を促進したり、カルシウムの吸収を助けたり、体の組織を修復する働きがあるほか、肝臓の機能を高める働きもあるので、年末年始の暴飲暴食で肝臓が弱りぎみの人には必要な栄養素です。

また、リジンの含有量が少ない精白米や小麦粉(パンなど)を主食にしている人、過激なダイエットをしている人は、リジン不足になりがちなので注意しましょう。リジンが不足すると、疲れやすく集中力がなくなる、目が充血する、といった症状が出るといわれています。

・セロトニンの原料トリプトファン

トリプトファンは、食べ物から摂取しなければならない必須アミノ酸の一つ。体内でニコチン酸(ビタミンB3、ナイアシンともいう)の原料になるほか、脳内では神経伝達物質の一つであるセロトニンの原料になります。

セロトニンには、睡眠導入作用や鎮痛作用、抗うつ作用、精神安定作用などがあるとされており、不足すると情緒不安定になったり、うつ状態になりやすいといわれています。

ストレスがたまったときに、うつうつと落ち込んだり、キレたりしないようにするためにも、ふだんからセロトニン不足にならないようにしましょう。セロトニンを増やすためには、トリプトファンが多く含まれる玄米がおすすめです。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『喰い改めよ! あなたはあなたが食べたものでできている』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。