工場内の熱さと外気の冷たさの中間で酸素瓶を枕にしてコンクリートの上で寝たこともありました。疲れていると、びっしょり濡れた作業服を脱ぎ、シャツ一枚で心地よく仮眠していました。

他社と一緒に工事に携わることもあり、「こんな仕事はできない」と放棄して帰る工事店もありました。困りはてた担当者が、「今晩中に完成しないと明日からの生産ができない。何とかやってもらえないだろうか」と言ってきました。

他社が放り出した後の仕事もやり通していきました。人が嫌がる仕事をやることも信頼につながります。私のポリシーは「できないと言わない」ということです。

余談ですが、私が屈辱を味わった鋼材業者はその後倒産しました。でもあの一件があったからこそ、「なにくそ!」と私は真剣に頑張ることができたのかもしれないと思います。

やればできる。

なにをする場合でも、前向きな姿勢で熱心におこなうこと。できない理由ばかりを探してはならない。〈中略〉仕事がどれほど難しくても、仕事や上司、職場環境、同僚がどれほどきらいでも、常にベストを尽くすのだ。昔から言われているように、王のコインを受けとるなら王が求めるものを献上しなければならないからだ。

『リーダーを目指す人の心得』コリン・パウエル、トニー・コルツ著(井口耕二訳、飛鳥新社、二〇一二)

※本記事は、2017年11月刊行の書籍『霧中の岐路でチャンスをつかめ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。