ゼロからのスタート

TOTO工場内の設備工事

今回の工事は洋式便器の成型機のライン化です。今までのことを考えると、噓のように仕事が忙しくなりました。

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嬉しい悲鳴を上げながら、徹夜残業で工事を進め、みごとに工期内に完成させることができました。できあがったラインで生産が始まると、壮観な眺めでした。

ラインには石膏型が並んだ成型機の中に泥漿(でいしょう)という粘土と水が混合したものを流し込みます。成型後、一晩おいて脱型するのですが、脱型後は乾燥させなくてはなりません。

乾燥は、作業者が帰った後、工場全体に蒸気の熱を通すのです。その乾燥時間帯に工場に入ると、サウナに入ったようなものすごい温度と湿度で、十分と入っていられない状態になります。

そんな中、徹夜で工事をすることもありました。長時間、約九十度のサウナ状態の工場内にいると、心臓が爆発しそうなくらい動悸が激しくなりますので、時々外に出て冷たい空気を吸います。雪が降っていたとしても、それが心地いいのです。

体を冷やしてまた工場に入り作業をします。それを何度か繰り返し、明け方まで作業を続けます。

あまり長時間に及ぶと、頭もおかしくなりそうです。工場の内と外の間に風除室のようになっている場所があります。徹夜作業の時にはこの場所で仮眠をとります。