一女子を共立して王となす。名は卑弥呼という。鬼道に仕え、能く衆を惑わす。年は既に長大。夫婿なく、男弟があって国を治めるのを助けている。王となって以来、見た者は少ない。

(17)以婢 千人自侍 唯有男子一人給飲食伝辞出入居處

侍女千人居るが自主的に動き、男子一人がいて、飲食物を運んだり、言葉を伝えたりするために女王の居処に出入りしている。

(18)女王國東渡海千餘里 復有國皆倭種又侏儒國在其南 人長三四尺 去女王四千餘里

女王国の東海を渡る千余里、また国有り。皆倭種、又侏儒国はその南に有り 人の長(たけ)三、四尺、女王国を去ること四千余里。

(19)親魏倭王金印 錦 罽 金八両五尺刀二口 銅鏡百枚 帛

魏の皇帝より親魏倭王金印、錦、罽、金八両、五尺刀二口、銅鏡百枚帛、高級な衣類多数を下賜された。

(20)畀彌呼以死大作冢徑百餘歩 徇葬者奴婢百餘人

卑弥呼以て死す。直径百餘歩の大きな塚を作った。殉葬の部下は百余人もいた。

以上の『魏志倭人伝』からの抽出された邪馬台国を取り巻く情報を正確に分析することによって、謎の解明への近道となる。