膠原病リウマチ痛風センターの所長が、患者とその家族のために綴った「センター便り」をまとめた、心あたたまるエッセイを連載でお届けします。

2014年4月1日 アレルギーとリウマチ

今年も桜の季節がやってきました。膠原病リウマチ痛風センターの前にはちょっとした桜並木があり、毎年、我々の目を楽しませてくれます。

今年は一番北側の桜の木が最初に開花しました。この木はとても枝ぶりが良く、駐車場の上までのびのびと張り出して、しかもたくさんの花を咲かせてくれています。

平安の西行法師の時代から、日本人は桜に特別の思いを込めてきました。桜が咲く頃は、折しも年度や学年が変わる時期。別れや出会いにまつわる情感が、薄紅色の桜に投影されるのでしょう。

桜が咲くこの時期はスギ花粉症の最盛期でもあります。花見には行きたいが花粉症が辛いという方も多いと思います。かく言う私も以前はアレルギーには無縁であったのが、2年前から急に花粉症が出て、この時期は辛い毎日を送っています。

今月は花粉症とリウマチに関するちょっと意外な話を紹介します。スギ花粉症はスギの花粉に対するアレルギー反応です。アレルギーも免疫の一種なので、免疫疾患である関節リウマチの兄弟分ではないか、だから関節リウマチの患者さんは花粉症も重症化するのではないか、と考えるのが普通でしょう。

でも実際はそうではありません。むしろ逆で、リウマチが悪い時は花粉症が軽くなり、リウマチが軽快して寛解になったりすると花粉症がひどくなるのです。

実際に私の外来でも、患者さんが「そういえば、関節リウマチが悪かった頃には花粉症は忘れていたけど、リウマチを治療して良くなったら、今度は花粉症で悩むようになった」という声を聞きます。関節リウマチと花粉症がそんなシーソーのような関係にあることは、当センターに通院中の患者さんにご協力いただいているIORRA調査で初めて分かりました。