2014年

2014年3月1日 生物学的製剤──どれを選ぶか

この冬はいつもの冬とはずいぶん違った冬になりました。

記録的な大雪が降って犠牲者が出ましたし、多くの方々の生活に支障をきたしました。ところが、この記事を書いている2月28日は汗ばむほどの気温になり、春到来と言われても「そうか良かった」と信じられるほどです。

大雪が降った日は都内も混乱しましたが、幸いなことに二度とも週末であったこと、二度とも積雪の次の日の気温が上昇したために、雪も比較的早く融けてくれました。寒暖の差があるのは悪い話ばかりではないようです。

誰しも辛いことはつい口に出ますが、ちょっと良いことはなかなか言葉にできません。新聞やテレビも悪いことは伝えますが、良いことはあまり伝えないですよね。しかしこの世は何事も両義的。悪いこともあれば良いこともあります。

悪い面ばかり見ずに、何か良いことはないかと考えることも大切だと思って、私は毎日を前向きに過ごしています。

先月に引き続き、関節リウマチの患者さんに使われる生物学的製剤の話をすることにしましょう。

生物学的製剤が7種類あり、どれがどう違うのかとよく聞かれます。確かに同じ点と違う点があります。
まず同じ点から書きましょう。

7種類とも遺伝子組み換えで作成されたバイオ医薬品で、すべて注射薬です。どれも十分な臨床試験が行われていて、十分な科学的根拠があります。有効性と安全性はどれもだいたい同じです。

70%ぐらいの方で関節炎が緩和され、関節の破壊が防止できます。ただしどの薬剤も感染症などの副作用に注意が必要です。すべて高価な薬剤で、健康保険を使っても毎月数万円の自己負担が生じます。