夜あけより吹雪く駅前出勤の 傘かたむけて人ら列なる
東北の山のサシバは晩秋の 伊良湖岬の山に集まる
*サシバは、ワシタカ科に属する中型のタカ。春から夏にかけて日本の里山で過ごす。
晩秋、東日本のサシバは数百羽の大群となって、伊良湖崎に集まる。
湧きあがる気流をとらへて舞ひあがる サシバの群れは空に輪を描く
※本記事は、2014年2月刊行の書籍『歌集 忘らえなくに』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 忘らえなくに【第20回】
四季がある日本は移ろいやすいのだろうか。
行き交う人々の心や街の景色は千変万化で、過去はさらに記憶の彼方へ押しやられてしまっているかのよう。
だが、南の島々には、あの戦争を経ても変わらぬ日本の心が残されていた。
過去と現在、時間の結び目を探しながら、日本古来の清き明き心を見つける旅の歌短歌集を連載でお届けします。
夜あけより吹雪く駅前出勤の 傘かたむけて人ら列なる
東北の山のサシバは晩秋の 伊良湖岬の山に集まる
*サシバは、ワシタカ科に属する中型のタカ。春から夏にかけて日本の里山で過ごす。
晩秋、東日本のサシバは数百羽の大群となって、伊良湖崎に集まる。
湧きあがる気流をとらへて舞ひあがる サシバの群れは空に輪を描く