大正・昭和・平成と生ききった母が
享年九十八歳の生涯を閉じたのは
平成二十四年八月十九日でした

蓮咲く

長い年月で変形したひざ
しっかりとテーピングされた手首
うすく うすくなった かあさん
三十度以上の暑さの部屋で 流れるおりんの音の中
普段着から紫色の死の装束へ
ゆかんが静かにすすんでいった

かあさんの聲が聴きたい
かあさんの聲が

かあさんの顔はきれいでした
しわも消え とても安らかな顔でした
自分の人生を生ききった そんな顔でした

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『もう一度かあさんの聲が聴きたい』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。