第一部 八荘源

第二章 青春の宴

中条は繰り返した。

「皆さん、ご静粛に願います。実に意外な結果が出ました。実はこの中の約一名だけが、ほとんど二十人すべてについて、他の七人と異なる意見を持っていらっしゃいます」

「えー、やばい」
と茜が舌を出した。みんなびっくりして中条のほうを見ている。

「それでは栄光あるその人の名前を発表いたします。それは」
「ジャジャーン」と村上が言った。
「小林君です」
「ウッソー」と茜が口走った。

「実は小林君一人だけ当たっていないというところが、二十のうち実に十四ヶ所もあります。これはやはり当人に釈明していただきませんといけないと思われます。それでは小林君。どうぞ」

小林は腕を組んで困った顔をしていたがやがて、
「いやあ、僕は男としての立場から見て、この人には処女であってほしいと思う十人に丸をつけただけです」といった。