5.地下資源の枯渇

我々人類は地下資源を利用する文明から利用しない文明へ永遠に転向することはできません。

そうしますと、この地球上に利用可能な地下資源がどの程度あるのかという問題が生じます。我々が何百万、何千万、何億年と存続したいという希望をもつならば、地下資源もこれを可能とするだけ必要となることは言う迄もありません。

然るに、250年ほど前に始まった産業革命以降、資源の利用は加速度的に増大し、化石燃料などのエネルギー資源は万年どころか千年あるいは数百年も持たず枯渇すると予測され、鉱物資源についても、このままの濫用の趨勢が続けば、万年あるいは千年を待たず利用不可というレベルに枯渇するものと憂慮されます。

幸いにも、エネルギー資源につきましては、(たとえ)原子力を使わないとしても、地球には地熱、風力、海流などがあり、我が太陽からは降り注ぐ太陽光がありますから、これらを有効に利用する科学技術さえあれば(そしてそれは得られることが期待できます)、人類の終焉の時迄賄うに足りるエネルギーは得られるものと考えられます。

さて、鉱物資源については資源を他の系内惑星・小惑星に求めるという可能性はありますが、それが実現できたとしても、何億年分もの必要量を満足させるという問題の解決には絶望的に及ばないと考えられます。

なぜなら、それらから得られる資源の総量は多くて地球から得られる利用可能な資源の総量の高々何倍と言う程度のものであり、何万倍という量ではないと推測されるからです(科学技術や経済効率を度外視してものお話です)。

このような観点に立ち見えてくることは、我々は基本的に鉱物資源を地球外に求めるのではなく、地球にある利用可能な資源を濫用せず何億年も持たせて利用することが肝要であるということになります。

それは資源を徹底的にリサイクルし半永久的/永久的に循環利用しなければならないことを意味します。

従って、この実現方法を徹底的に研究する必要があるということになります。濫用するという前提に立てば、地球外からの資源を考えても焼け石に水でしかありません。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『神からの自立』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。