俳句・短歌 短歌 自由律 2020.12.12 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【第20回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 少女らの 翅 すきとおる 夏野かな 鬱鬱 の 末摘花や 半夏生 八頭身 故に わかさぎ 死にやすし
エッセイ 『59才 失くした物と得た物』 【新連載】 有村 月 結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…
小説 『ザ・総選挙』 【第22回】 利根川 尊徳 「最初から結果が分かっている事の方が選挙としておかしいもの」武藤は呟いた 誰一人として抜け駆けする事なく「そんな姑息な真似はしません!」と口を揃えたのに対して、与党と野党の候補者は、当初は「私も小選挙区一本で挑みます」と威勢のいい事を口にしていたのだが、マスコミの情勢分析が進むにつれ、「私は折角の有り難い制度ですから使わせて頂く事にします」と小選挙区で日本民主保守党公認候補と当落を争う選挙区のライバル候補者達が、最初は使わないと言っていた重複立候補制を使うと言い出して…