それは理解できないこともない。しかし、グループ補助金についていえば、東日本大震災は、福沢諭吉のひそみにならえば、「日本開闢以来未曾有の」大災害なのだ。

この大災害からの復旧資金をグループを組むことなしに個別企業に補助しても、誰も文句を言わないと思うのだが、「いや、どんな事情があろうとも個別企業に税金を投入することはまかりならん」と主張する人がいるのかもしれないので、そのような非難をかわすために「グループ」というタイトルをつけることにしたのだと私は考えている。

あるいは、非難をかわすということではなく、未曾有の大災害であろうがなかろうが無条件で個別企業に補助金を出すことはできない、という伝統的思想を固守するということなのかもしれない。

いずれにしても、グループ補助金といっても実際には個別企業に補助金が出ているのだから、私には姑息な手段のように思える。外国人低賃金単純労働者を技能実習生と呼び、商業捕鯨を調査捕鯨と称して問題点をずらしてしまうのは日本の十八番(おはこ)であるが、その類であると思う。

私はグループ補助金を否定しているわけではない。むしろ高く評価している。グループ補助金がなかったら復旧はありえなかっただろう。

被災した中小企業の復旧だけでなく、復旧工事を受注した建設業者などへの波及効果は相当なものがあり、これほど成果を上げた補助金はないだろうとすら思っている。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『補助金の倫理と論理』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。