ある日のことである。

体調がすぐれず会社を休み家で寝ている時、ショーは私が家に居るので当然、コンビニへ行くものと思っている。しかし、体調がすぐれない私はショーを連れては行けない。

そのうちショーは私の手を引っ張って外へ連れて行くように促す。それでも私が動かない。今度は妻の方へ行き同じように促す。妻にも断わられる。いよいよショーは余裕がなくなってくる。どうしても自分の思い通りにならない時はパニックを起こしてしまう。

普通の子供であったら「ガム買ってくれー」と騒ぎ、それでも買ってくれない場合は半ベソを掻き、しまいに「買ってくれー」と大泣きして騒ぐ所だろう。最後には母親に叱られてぐずぐずと鼻頭を真っ赤にしながら、諦めるのだろうが。

そんな流れの中で通常の子供は我慢することを覚えていくのであると思うが……。

ショーもそれなりに知能の発達はある。家に居てもコンビニに行く雰囲気でないと分かると、黙って家を脱走し、自分でコンビニに行く知恵を身につけてしまった。

ショーが家に居るときは大抵分かる。家中走り回っているか、訳の分からないダンスをやっているので監視していなくても雰囲気で分かる。しかし、急に静かになった時が危険だ。家中探してもいない。扉の方向を見ると扉が半分開いている。

『やべー、ショーが脱走した』

私は飛び跳ね、ショーの後を追う。家の鍵も掛けずサンダルを引きずりながら追いかける。

このコンビニは近くとはいえ、十字路の信号を渡った角にあるのだ。そんな配置なので最低二回信号を渡ることになる。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『ショー失踪す!』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。