保育所と幼稚園の違い

意外と保育所と幼稚園の違いを知らない人はいる。特に男性には多いかもしれない。以前は私も理解があいまいだった。子どもを一定時間預かるということでは、保育所と幼稚園は似たような施設に思えるが、担当官庁や根拠となる法令や対象年齢が全く異なる。

幼稚園は文部科学省が担当官庁で、学校教育法に基づく教育機関であり、先生は幼稚園教諭という免許を持っている。三歳以上の幼児から小学校就学前までを対象として、原則、一日は四時間である。

一方、保育所は、厚生労働省が担当官庁で、児童福祉法に基づく児童福祉施設であり、先生は保育士という国家資格が必要である。保育を必要とする乳幼児を対象とし、原則として一日は八時間である。その違いの概要を図表1に要約してみた。

写真を拡大 [図表1]保育所と幼稚園の違い 出典: 児童福祉法や学校教育法などを参考に筆者が作成

多忙を極める保育士の一日

私の勤務する保育所の平均的な一日を振り返ってみよう。あくまでも現時点の一日の流れであって随時変更されることもあることはご了解いただきたい。

保育所は七時一五分にオープンする。保育所における保育士の一日は多忙を極める。早番や遅番などで違いがあるが、私の勤務する八時から一七時勤務の場合、七時四〇分頃に保育所指定のエプロン、シャツ、靴下などに着替え、二階にある保育室の掃除を済ませ、加湿器に水を満たし作動させて、保育室の子どもの受け入れ準備をする。

七時一五分以降に保育所に来ている子どもたちは、既に別の階で年齢が異なる子どもたちと一緒の(異年齢保育)合同クラスにいるので、八時きっかりに本来のクラスである二階の保育室に子どもたちを引き連れて移動する。

八時以降、さらに子どもたちが保護者と一緒に保育所に登園して来て、保育士は子どもたちを受け入れる。この際、子ども一人ひとりの顔の様子や元気かどうかを観察する。同時に保護者に子どもの体調を確認することも大切である。毎朝、自宅で体温を測ってもらい、連絡帳に記入いただく。感染症などの確認も大事だ。

歯ブラシとコップ、口拭きタオル二組(お昼ご飯用、おやつ用)、お手拭き用タオル、お昼寝時の着換え、お昼寝時の大型タオル一枚(週の初日)などを子どもたちがカバンやバックパックから出し、所定の場所に収納したり、セットするのを見守る。四月、五月頃は四歳児なら概ね自分でできるが、三歳児は保育士が手伝う必要があり、非常に忙しい時間帯だった。ただ半年過ぎるとすべての子どもが自分でできるようになった。

また、子ども自身が前夜に自宅で翌日の保育所に持っていく物をバックに詰めて、かつ朝、自分で体温を計測している子どももいて、その成長ぶりに思わずうれしくなる。

朝のセットが終わると子どもたちは順次おもちゃなどで遊び始める。九時過ぎのお茶の後に朝の会があり、連絡帳に登園シールを貼ったり、保育士のオルガン演奏のもとみんなで歌を歌う。一〇時頃から月案、週案、日報と関連したその日のテーマの活動を始める。

室内での活動であれば、例えば、粘土遊び、折り紙遊び、塗り絵、身体を使った遊びなどである。屋外なら、園庭での土いじり、鬼ごっこ、近くの公園への散歩など様々である。公園への散歩の途中は、子どもたちの歩く列から目が離せない。車やバイクが通り過ぎたりするし、バス通りを横断したりしなければならない。保育士は保護者から子どもたちの命を預かっているので、一秒たりとも注意を怠れない。

夏なら園庭での水遊びもある。いくら浅い水遊びでも、やはり、事故がないように子どもたちから目を離せない。もちろん天候などを見ながら、適宜変更もある。なお散歩などの外出後は、うがいと手洗いは口酸っぱく言って徹底させる。

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。