都会や市の中心部ではケア付き高齢者アパートも増えてきています。でも医療機関に通うのも買い物に行くのも不便な過疎地にはこのような施設はなかなかできません。それどころかそのようなご高齢の方から医療を受ける機会を奪うような地域医療計画が進められています。

もし自分が高齢になった時どこでどんな医療を受けたいのか、そんな視点と地域を守り発展させるためにはどうすれば良いのかを、考えることが必要です。

ある朝警察から電話がかかって来ました。化石医師が診ている患者さんに関する問い合わせです。94歳のHさんは2週間前に診たばかりです。自力で歩行して通院されています。「なんやらかんやら悪くなっている」と言って帰られたのです。

新聞が4日たまっているため行政の方が入られたところ亡くなられていたそうです。Hさんも独居でした。お元気なHさんでした。でも前述のように生活を見守る体制があれば亡くなられて4日経って発見されるようなことはなかったかもしれません。

高齢社会の中で地域包括ケアの体制づくりが認知されてきました。保健・医療・介護(福祉)が一体となった地域包括ケアは全国国民健康保険診療施設協議会が推進してきたものです。地域包括ケアの中心は医療の存在です。

だからこそ保健・医療・介護(福祉)と医療が真ん中にあるのです。しかし包括ケアを叫ぶ割にはそのことが忘れられているような気がします。地域が衰退して行く中で何故国民健康保険診療施設ができたのかをもう一度考えて頂きたいものです。

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『新・健康夜咄』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。