第四章 実際の教育活動の中で輝く「教育哲学」

(1)勉強編~子どもはなんのために学ぶのか~

3つめは、自分で考えて正しい判断ができるようになるためです。

私は中学校で社会科を教えていますが、世の中には、まだ大人でも答えの出せていない問題ばかりが山積みです。

「原子力発電所はどうするの」
「少子高齢化にむけては」
「地球環境問題をどう解決するか」など、難問ばかり。

また、生活に大きく関わる政治に関しても、自分で考えて判断することが大切です。ドイツの政治家ヒトラーはユダヤ人の虐殺などで有名な男ですが、しかし、彼も人々からの選挙で選ばれたことを忘れてはいけません。

つまり、学ぶことと、自分の頭で考えることが必要なのです。今の世の中は情報が溢れかえっているからこそ、自分の頭で考えて、正しい判断をする必要があります。世の中の雰囲気や偏った情報に流されたり、騙されたり、自分にはわからないからといって思考停止になったりすることがないようにしなければいけません。

最近では、「AIに仕事を奪われる」というようなことをよく聞きますが、このような目的観をもって学んだ人がAIにとって代わられることはないと思います。