第二章 ADHDを治療すると希望が見える

薬でADHDは治療できる

さて、本題です。これまで、ADHDは薬で治せると述べてきましたが、それではどのような薬があるのか、具体的に見ていきましょう。

ADHD治療薬は2018年現在1日2回服用するカプセル型(2013年11月には液剤型も発売された)のアトモキセチン(ATX)と1日1回服用する徐放性錠剤型のメチルフェニデート(OROS-MPH)およびグアンファシン(GXR)の3種類があります。服薬開始適応年齢はどれも6歳以上で前二種は成人からでも服薬できます。

どれを飲むかは医師と相談してみましょう。服薬期間ですが、一生飲むのではなく、中学や高校入学時に本人と服薬を続けるかどうか相談しながら決定します。

なぜならば学校が変わることで環境が変化し、ADHD症状が落ちつくことがあるからです。夏休みなど長期休暇で休薬してみて効果が不変なら中止して、またADHDの症状が出るようなら再開すればいいのです。多くのお子さんが最低2年間は飲んでいます。

アトモキセチンは、1日1〜2回、食後に服用します。朝食後and/or夕食後になります。30日分以上でも処方可能です。

4段階に分けて、0.5㎎/㎏/日、0.8㎎/㎏/日、1.2㎎/㎏/日、1.5〜1.8㎎/㎏/日、と徐々に1~2週間おきに増量していきますのでゆっくりと1~2カ月かけて効果が現れてきます。カプセルの剤型には5㎎、10㎎、25㎎、40㎎と4種類あるので微調整しやすいという利点もありますが、カプセルがやや大きいので飲みにくいというのが欠点です。