第3章 世界のパラダイム

ビフォアコロナ アフターコロナ

13 楽観/悲観主義から積極主義へ

地球環境の危機的状況を目の前にしながら、いままでの社会のあり方を変えようとしない企業、各国政府の姿に絶望し、「何をしても無駄である。手遅れである」と嘆く悲観主義者がいる一方で、地球環境が危機的状況に陥っていると主張しているのは、一部の科学者だけであると現実を認めない楽観主義者がいます。

地球環境がここまで追い込まれたのは、この両者の溝が深いからです。両者は力を合わせようとしません。

しかし、今回の新型コロナは、人類が力を合わせなければ前に進まないことを認識させることになりました。米中が激しく対立していますが、心の中では助け合わなければならないことを知っています。

いまは、覇権争いに躍起になっていますので、地球の未来が見えていません。5年10年と睨み合いが続く可能性がありますが、いずれ、両国とも、政治の大きな変化を経験していく中で、睨み合いから助け合いの時代であることを痛感するときがやってくるでしょう。

私たちは地球環境の維持という途方もなく大きなテーマを抱えていますので、思想的な対立を乗り越え、助け合い、みんなで考え、行動に移すという積極主義に転じることが不可欠です。行動を開始しなければ、人間を含めたすべての生命が、この地球から消えてなくなるのは明らかです。

14 快楽主義からアタラクシア(不動の心)へ

若い世代でバブル崩壊後、目だった言動に「人生は楽しむためにある」「今日、楽しければ、明日はどうでもよい」があります。日本の若い世代に利己的な快楽主義が蔓延しています。

その原因は必ずしも彼らにあるわけではありません。バブル崩壊で経済が立ち行かなくなり、大企業はどんどん潰れ、就職もままならない時代が長く続き、希望を失ったからです。

さらに過度な受験戦争の反省からゆとり教育にシフトした結果、しっかりした人間観を身につけることなく、昔より少ない知識しか与えなかった社会にも原因があります。現在そうした時代に育った子どもたちが、企業に続々と入社してきたことで、企業の現場はいま、混乱の渦中にあります。