杉田の思想は絶対に間違っていて、時代遅れの考え方だった。しかし、それでも彼は譲らなかった。そして、彼には普通の人には理解できないこだわりがあった。

それは、ほかの男尊女卑の考えの人と自分は違うということである。普通の男尊女卑の考えの人は結婚をする。

それが杉田には理解できなかったのだ。本当に差別しているなら一緒に暮らすなど耐えられないはずである。

彼が小さい頃は、まだ何も知らなかったので、男尊女卑の社会に生きていた昔の人が、かっこいいと思っていたのだ。真実を知って失望してから、自分が普通の男尊女卑とは違う、模範的な思想の持ち主になろうと決意したのだ。

杉田が女性を差別している理由は簡単である。世界を救うのは芸術だ。そして芸術は差別だからである。

芸術が世界を救うというのは少し大げさかもしれないが、少なくとも世界の半分は支えているはずである。何が正しく何が不正であるかは、芸術から学ぶからである。

「芸術は差別だ」というのは、どういうことかというと、芸術とはたとえであり、何かを訴えたいときにそれに似ているものを作るのだ。しかし、それは差別である。