保育士の資格

私も知らなかったのだが、保育士資格は、二〇〇一年の児童福祉法の改正に伴い、名称独占資格(勝手に名乗ることが許されない公的資格)となり、二〇〇三年一一月二九日付で国家資格になった。

それまでは、一部の認可外保育施設で、資格がないのに保育士を名乗る者が事件や事故を起こしたりしていた。一方、社会では保育の重要性が高まり、保育士の社会的責任が重くなったため、さらには規制緩和による保育の質の低下を防ぐため、保育士の資格を国家資格とした背景がある。

保育士の前身として、以前は保母さんという名称があった。名称通り、女性を前提にした仕事であった。いまでこそ、男性保育士は増えてきているが、それでも、東京都では三一、五五〇人の保育士のうち、男性保育士四・六%で、圧倒的に女性が多い。さらに男性シニアの保育士となると、本当に少数である。

保育士の資格を取るには

国家資格である保育士の資格を得るには、次のいずれかに該当しなければならない。(児童福祉法一八条)

1 厚生労働大臣の指定する保育士を養成する学校やその他の施設を卒業した者

2 保育士試験に合格した者

そして有資格者は、その居住する都道府県知事に登録申請し、都道府県知事が保育士登録証を交付して初めて保育士として仕事ができるのである。なお保育士を養成する学校その他の施設では、卒業生は幼稚園教諭の資格も併せて取得する場合が多いため、実際には卒業生全員が保育士になるわけではない。

また平成二七年の保育士試験の合格者は全国で一〇、五七八人で、保育士試験全科目免除者(幼稚園教諭などの免許を持ち、一定期間の所定の施設での実務経験があれば、教育原理や実技試験などが免除される)は一〇、二〇三人でほぼ同数である。

ただ、保育士を養成する学校その他の施設の卒業生や保育士試験合格者の全員がそのまま保育士になるとは限らない。乳児や幼児の命を預かる使命感の厳しさや労働環境の過酷さの一方、給与・厚生福利が一般企業に比べて良くないということで、直前で保育士を断念する人もいるのである。

保育補助員とは

聞きなれないかもしれないが、保育所に保育補助員という職員がいる場合がある。保育補助員はクラス担任をする保育士のサポートをする職員で、あくまでも補助なので保育士の資格はいらない。

保育補助員の仕事内容は保育室などの掃除や洗濯、食事やおやつの配膳、お昼寝用ベッドの準備・片づけ、事務作業が中心で、あとは必要に応じてクラスの副担任も行う。実際に認可保育所や認証保育所、認可外の保育施設で活躍している保育補助員は多い。ただし、市区町村からの補助金は出ない。

保育士も保育補助員も、保護者や子どもたちからは、「XX先生」と呼ばれているが、保育所の入り口には保育士か保育補助員か掲示されていることが一般的である。保育士の資格を目指す人にとって一つのステップとも言える。私の勤務する保育所にも保育補助員の方が数名勤務されていて、大いに戦力になっていて感謝されている。

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。