日本列島は世界最大級の応力場

日本列島は、[図1]に示すように、西日本側はユーラシアプレートの上に、東日本側は北米プレートの上にあり、それに接して太平洋プレートとフィリピン海プレートが存在しています。このように4つのプレートがぶつかり合う場所は世界のどこにもなく、日本海溝周辺は世界最大級の応力場となっているのです。

[図1]日本列島を取り巻くプレート

パンゲア大陸が今のような形に分離したのは地球のプレート運動によるものですが、世界のプレートは大きく分けて約10枚からなり、年間3cmから10cmほど動いています。

その動きは、[図2]に示すように、多くのプレートが日本列島に向かって動いています。今の動きが将来も続くとすれば、5000万年後にオーストラリア大陸が日本列島に衝突し、その後、2億年から3億年位かけて、アフリカ大陸とアラビア半島が、続いてアメリカ大陸とアジア大陸が日本を挟んで合体し、かつてのパンゲア大陸のような、ひとつの大陸に収束していくといわれています。

[図2]世界のプレートの動き

富士山は太平洋の海の底に繋がる根の山

今からおよそ300万年前、南洋の火山島や海底火山がフィリピン海プレートの北上に伴って日本列島にぶつかり、その衝撃で伊豆半島ができました。

その後の火山活動で箱根、富士山ができ、八ヶ岳、浅間山、妙高山、焼山まで、日本列島を南北に縦断する富士火山帯が形成されました。この富士火山帯は列島中央部のフォッサマグナ沿いに走っており、南はマリアナ諸島にまで連なっています。

山崎晴雄首都大学名誉教授は「富士山はフィリピン海プレートとユーラシアプレートとの間の沈み込み境界である、駿河トラフの内陸延長部に位置しており、駿河湾から相模湾に続いている」と教え「伊豆諸島の東側にある太平洋プレートが、ユーラシアプレートや北米プレート、そしてフィリピン海プレートの下に沈み込んだため、その時に作られたマグマは、東北の奥羽山脈から中部山岳地帯、八ヶ岳、富士山、伊豆半島、伊豆諸島の火山として線状に連なって噴出している」と教えています。

そのため、富士山はプレート沈み込み境界と、それとは直接関係しない火山帯の交点に位置しています。この形態は世界のどの山にも存在しない特異なもので、富士山の底は日本の主要な山々と連なるとともに、駿河トラフ、相模トラフを経て太平洋に繋がっているのです。

※本記事は、2020年7月刊行の書籍『いま、日本の危機に問う』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。