ダットスキャン®検査、脳シンチグラフィー検査とはどんな検査?

MIBG(123I-メタヨードベンジルグアニジンの略)検査は日本で発展した検査で、「イオフルパン」を使ったドパミントランスポーターイメージング核医学検査(DAT-scan検査=123I-FP-CIT-SPECT)です。脳内の黒質線条体ドパミン神経の終末部に存在するドパミントランスポーターの評価を行う検査です。

米国や欧州など、既に34の国や地域で承認されていて、パーキンソン病やレビー小体型認知症の標準的診断法として利用されています。日本では2014年1月より発売が開始されました。

脳の交感神経機能の情報を得られるダットスキャン®は認知症検査において、今後の診断に重要な役割を果たしていくことが期待されます。これまで典型的なレビー小体型認知症でないと診断が難しかったのですが、ダットスキャン®により、レビー小体型認知症の診断が増えるかもしれません。

[図1] 正常人のMIBG心筋シンチグラム画像(左図:早期像 右図:後期像)
正常では線で囲んだ部位が周囲組織のように集積が認められる
(大阪医科大学神経内科 中嶋秀人先生提供)
[図2] レビー小体型認知症のMIBG心筋シンチグラム画像(左図:早期像 右図:後期像)
70代前半女性。早期像・後期像ともに線で囲んだ部分のMIBGの集積が低下していて、目視できない
(大阪医科大学神経内科 中嶋秀人先生提供)
※本記事は、2018年5月刊行の書籍『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。