ブルーストッキング・ガールズ

6

美津の部屋では、トメが相変わらず机に向かっている。美津も布団で本を読んでいた。

「ねえ、トンちゃん、トンちゃん。お菓子、食べない?」
「ちょっと待っていて。この問題を解いてから」
「ねえトンちゃん。お菓子食べよーよ」
「そうか! 分かったよ美津ちゃん、分かった! ここの角度は三十度。何だそういうことだったんだ。なーんだ、そういうことだったんだ。ねーねー美津ちゃん、ここにね、こう補助線を引くのよ、そうすると、ほら新しい三角形がね、ね。そうすれば、ここがね、三十度よ! 分かる? すごいでしょ。ね、ね、ね!」
「……お菓子食べない?」
「うん!」

美津は机の小引き出しからガサゴソと色とりどりの包みを出して、開いて見せた。そしてにっこり笑った。

「今日はね、おまんじゅう! 母さんがね、昨日買って来てくれたのよ」
「美津ちゃんって、本当に夢のような生活をしてるんだね。おいしいお菓子もあるし、部屋だってこんなに暖かいし、そして布団だって気持ちよさそう」
「入る?」
「うん!」

トメは美津と向かい合わせて布団に入った。

「なんか変。こっち、おいでよ」
「うん!」

トメは美津の布団に潜り込み、もぞもぞとして、美津の前に「プ、ハッ」と顔を出した。

「ハハハ……トメちゃんて、まるでカワウソのよう」